吉野杉の家
奈良県に吉野というまちがあるのはご存知でしょうか?
吉野は日本有数の杉や檜の山地です。
吉野川が流れるこの土地は、吉野の山々で育てられた木材を流通のために
川で流し関西の木造建築を支える中継地点として栄えてきました。
吉野のまちで選定された木材は和歌山県まで運ばれ大阪城など
多くの日本の木造建築を構築する材料として重宝されてきました。
吉野のまちはその後、木材の加工なども手がけるようになり日本有数の木材ブランドとなりました。
そんな吉野川の木材の中継地点に現在は「吉野杉の家」と呼ばれる住宅が建っています。
吉野杉の家は民泊で有名なairbnbとのプロジェクトで誕生した
日本初の新築で建てられた宿泊施設になります。
吉野町と建築家の長谷川豪氏が吉野の杉を使用して考えられた住宅で、
木材の中心部分で節のない部分だけを選び作られた究極の吉野杉の家になります。
その住宅を吉野町で作った後に2016年にお台場で開催された「house vison 2」に
移設して展示終了後に再び吉野町に移築して、地域コミニュティの方々がホストとなり
民泊施設として運用されています。
目の前に広がる吉野川を見ながら、ゆっくりとした時間を体験できる場所です。
ホストの方々から吉野町の歴史を聞かせてもらいながら、木材を大切に育て60年の年月を経て、
構造材や床材、壁材として使用される木々を提供してくれる姿勢に感動を覚えました。
そして今、植林している木々は60年後の未来へ向け、
良質の木材を提供するために大切に育てられています。
未来へ託すために働く仕事は本当に素晴らしいですね。
私たちの仕事も建てて終わりではなく、
そこに何十年とご家族が暮らすことによって成立する仕事なのかもしれません。
もちろんマイホームを建てられるお客様もお子様のことやお孫のことを考えて建築される方も多くいます。
良質な材料を使い、良質な生活を次世代のために良質な住宅を建築することを一緒に考えられる、こんな嬉しいことはないですね。
私たちもより素敵な家を提案できるように頑張ろと改めて考えられさせる一日でした。
明日は三重県の建築会社が主催するマルシェにお伺いして
地域のコミニュティについて学ぶ予定です。
明日も学びの多い一日となりそうです。
それではまた明日!